本記事では、超越瞑想がPTSDや鬱病の軽減に役立つ可能性があるという2019年2月に発表された研究 [1]を紹介します。
基本的な超越瞑想は目を閉じて座りながら1日に2回20分で行う瞑想法でして、非宗教的な側面もあり、昔から多くの研究がなされています。
最初に言っておきますが、本記事は宗教組織とは関係ありません。研究結果を述べるだけです。てか瞑想法は1人でマスターできます。
実験内容
実験の内容としては、Maharishi Institute (MI)の学生34人とヨハネスブルク大学 (UI) の学生34人を対象にした実験を行い、MIの学生にだけ3.5か月間だけ超越瞑想をやってもらいました。
PTSDの測り方と症状
実験開始時にMIとUIの学生はPCLテストとPTSD臨床医による試験で44以上のスコアを持っていました。
ちなみにPTSDの症状は悪夢・トラウマのフラッシュバック・不安・恐怖・過剰警戒などが含まれ、本研究の被験者の場合は怒りや暴力行為、薬物やアルコールの乱用も報告されています。
PTSDの患者数
本研究は南アフリカで行われたものですが、南アフリカでは人口の約25%がPTSDを患っており、非常に多くの患者を抱えています。
ちなみにアメリカは8%、日本は1~4%くらいだったと思います。
実験結果
結果を下図に示します。
縦軸がPCLテストの平均スコアでして、横軸は左から初日・15日後・60日後・105日後です。
赤がUIの学生、青がMIの学生です。
瞑想を行ったMIの学生は日ごとにスコアが減少していますが、何もしていないUIの学生のスコアは変化なしです。
つまり超越瞑想はPTSDの症状を緩和させるということですね。
しかも3.5か月で正常なスコアになるようです。
この研究では超越瞑想が鬱病も緩和することを明確にしています。
まとめ
超越瞑想がPTSDや鬱病の軽減に役立つ!という研究でした。
世界保健機構によると、日本においてPTSDを生じるような危険な体験をする割合は男性で約60%、女性で51%ということです。結構多いですよね。
地震などの自然災害や大切な人の死、レイプ、喧嘩など原因は様々です。
精神的に辛い出来事は人生で何度も経験することなので、瞑想により心をリラックスさせることは重要な予防・治療法なのではないでしょうか。
研究では超越瞑想を使っていますが、普通の瞑想でも十分効果があると思います。
ちなみに瞑想は集中力がアップするなど他にも良い効果があるらしいです。
あと、瞑想のやり方をネットで検索すると怪しい団体が色々と出てくるので注意してくださいね。
参考文献
[1] |
“Reduction of PTSD in South African University Students Using Transcendental Meditation Practice,” Psychological Reports, First Published February 19, 2019. |
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