最近ぜんぜん眠れない。って人いますか?
今回紹介する研究は、加重ブランケットを使用すると睡眠の質が向上するという2015年の研究 [1]です。
不眠症は多くの人が抱えている障害ですが、ブランケット1つで不眠症が解消するのは朗報ですね。
加重ブランケットが具体的にどういった効果をもたらすのか、実験を通して見ていきましょう。
実験内容
被験者は不眠症患者
被験者は慢性的な不眠症を抱えている31人としています。
睡眠薬を常用している人は実験中でもいつも通りに使用おっけーです。
1か月におよぶ比較実験
最初の1週間は加重ブランケットを用いずに通常状態で睡眠。
次の2週間は、加重ブランケットを用いて睡眠。
ここでブランケットの重さは6kg、8kg、10kgの3段階で実験しました。
最後の1週間は、再び加重ブランケットを用いずに通常状態で寝てもらいます。
アンケート内容
寝てもらった後に以下のような質問が書かれたアンケートに10段階で回答してもらい、主観的な感情を評価します。
- 加重ブランケットはどれくらい心地よかったか。
- 加重ブランケットがないのと比較して。睡眠の質はどれくらい良いか。
- 加重ブランケットが追加されるのはどれくらい嫌だったか。
- 加重ブランケットをどかすのはどのくらい難しかったか。
- 加重ブランケットはベッドの中の温度にどれくらい影響を与えたか。
- 加重ブランケットで眠りに落ちるのはどれくらいスムーズだったか。
- 加重ブランケットはどれくらい安心感があったか。
- 加重ブランケットで朝はどれくらい疲れたか。
実験結果
睡眠時間が長くなる
加重ブランケットを使用することで睡眠時間は大幅に伸びることが判明しました。
結果は下図のようになっており、ブランケットを使用したときが最も棒が長いですね。
(棒グラフは左から順に、最初のブランケットなし実験、ブランケットあり実験、ラストのブランケットなし実験です。)
眠りにつく時間が短縮する
加重ブランケットを使用することで、ベッドでの活動時間、つまり眠りにつくまでの時間は短縮することが判明しました。
結果は下図のようになっており、ブランケットを使用したときが最も棒が短いです。
眠りにつく時間が短いということは、ブランケットの程よい圧力で心地良い空間が形成されているということでしょうね。
寝ている間の動きは減少する
加重ブランケットを使用することで、寝ている間の動きが減少することが判明しました。
結果は下図のようになっており、ブランケットを使用したときが最も棒が短いです。
夜間の動きが少ないということは、ぐっすり眠れているということですね。
グラフを全体的に見てみると、ブランケットあり実験の後に行なったブランケットなし実験(Post-Testってやつ)はブランケットあり実験のときより悪化しているので、やはりブランケットが無ければ不眠具合は元に戻るってことです。
ちなみにブランケットの重さで最も人気だったのは中間の8kgだったそうです。
考察
睡眠の質が向上した理由
加重ブランケットは身体に圧力を加えることで抱擁されている気分を人々に与えます。
これが精神を安定させる神経伝達物質であるセロトニンの分泌を促し、不眠症を改善することということが考えられています。
加重ブランケットの有用性
ブランケットありの実験後にブランケットなしの実験をしたら睡眠の質が元に戻ってしまったということで、加重ブランケットは睡眠のサポートにめちゃくちゃ有用であると筆者は主張しています。
まとめ
加重ブランケットを使用すると睡眠の質が向上するという2015年の研究でした。
夏よりも冬の方がぐっすり眠れるのは、布団が重いおかげなのかもね。
加重ブランケットを使用すると、以下の効果が得られるかも。
- 睡眠時間の延長
- 眠りにつくまでの速度向上
- 夜間の動き減少
通常のブランケット、いわゆる冬に使う毛布でも多少重みがあるので効果的だとは思いますが、専用の加重ブランケットは身体全体に均等に圧力が上手くかかるように設計されていてより快眠に繋がるのでおすすめです。
参考文献
[1] |
“Positive Effects of a Weighted Blanket on Insomnia,” Journal of Sleep Medicine & Disorders (2005), 2(3): 1022. |
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