多くの人は恋愛で嫉妬をした経験があると思います。恋愛における嫉妬は男女の関係において、外部の人間からの介入があったときなどに生じます。
一般的に嫉妬は不安や恐怖感などの負の感情として認識されていますが、もしかしたら成長に繋がるのかもしれません。
今回は、嫉妬が私たちの性格や行動方針に思った以上に影響を与えるというアメリカのヴィラノーヴァ大学の2013年の研究 [1]を紹介します。
実験内容
144人に対しての調査
恋愛のパートナーのいる男女144人を対象とした実験です。
実験の前後に芸術性、音楽性、運動能力などの個人的な属性についてのアンケートに答えてもらいました。
嫉妬をしてもらう
まず彼らには嫉妬してもうらためのシナリオを想像してもらいます。
例えばパートナーとショッピングモールを一緒に歩いているときに、パートナーが「あの人見た?」「あの人が着ているシャツ良いね」などと第三者に興味があることを伺わせる状況です。
第三者の性格データを確認
研究者は被験者に対してどれほど嫉妬したかを尋ね、第三者の性格データを見てもらいました。
再び性格調査
シナリオに出てきた第三者の性格を認知した上で、再びアンケートに答えてもらいました。
回答の正確性を保証するために、回答スピードも計測します。
実験結果
被験者の自分に対する性格的嗜好の評価は、シナリオの想像前よりも想像後の方が第三者の属性に有意に傾きました。
パートナーが運動や音楽に嗜好のある第三者に興味を持った場合には、本人の性格的嗜好は実験前よりも運動や音楽に傾いていたということです。
これはパートナーが興味を示した第三者が魅力的な特性を持っていると考えてしまう心理的思考に影響されるためだと考えられています。
まとめ
パートナーに対する嫉妬において、第三者の属性が本人の嗜好に影響するという研究でした。
- 嫉妬は性格的嗜好を変化させる
- パートナーが魅力に感じた人の属性に影響される
恋愛における嫉妬は精神的に辛いですよね。しかし第三者の魅力的な属性を自分に取り入れることで、自分の成長に繋げられるのではないでしょうか。
参考文献
[1] |
“Changing me to keep you: state jealousy promotes perceiving similarity between the self and a romantic rival,” Pers Soc Psychol Bull. 2013 Oct;39(10):1280-92. doi: 10.1177/0146167213492427. Epub 2013 Jun 27. |
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