サイバーエージェントの創業者である藤田晋さんの「渋谷ではたらく社長の告白」を読みました。
一言で表すとすれば、「走り続ける」です。この藤田さん、とにかく努力家でメンタル化け物です。
藤田さんの行動は生半可な気持ちではミラーできないですが、これから起業を考えている人には参考になる部分があるかと思います。
ベンチャーの成長物語が良い部分も悪い部分も生々しく述べられています。
裏切り、それでも手放せなかった夢
高校生でバンドを組んで「レコード会社を作る」という宣言をしたことから、将来は起業することを夢みた筆者。
受験で青山学院大学の経営学部に入学。
麻雀に没頭したりバイトに打ち込んだりと紆余曲折ありながら、広告代理店のバイトの経験を生かして同業種のインテリジェンスに就職。
堀江隆文さんといい、大学での生活を疎かにしたり麻雀に没頭したりするのは起業家にはよくあることなんですかね(笑)
藤田さんがすごいのはここからで、入社一年目にして営業成績トップをたたき出し、会社でも注目を浴びます。
自分の営業の力に確信を持てたところで、起業を決意します。3人で起業の予定でしたが、諸事情を重ねて裏切る形となり、一人ぼっちになってしまいました。
ゼロからの起業
仲の良かった同期、大学時代にインターンで知り合った友人と共に起業準備を開始。
ビジネスアイデアもないまま起業を数か月後に設定して行動するというのは、一種の賭けだなと感じました。ただ、それほどに自分の営業力に自信があったんだろうなあ。
藤田さんは理系ではないためコンピュータには詳しくないですが、IT系の営業を行う会社としてサイバーエージェントを立ち上げました。
仕事をしながらIT技術の勉強をするといった流れで、実践で覚えるとはまさにこのことです。
起業自体は1998年のお話なので、今を生きる僕たちからしてみればITは未だ成長分野です。この時期からITに目を付けていたのは本当に鋭い。
ここらへんの勘の良さは参考になります。情報のインプットが大事ですね。
堀江貴文さんも登場し、一緒にサービスを作ります。ここの堀江さんとの会話が「こんなサービスできる?」「できます。」って感じで仕事の話し合いがトントン拍子過ぎて笑えます。
ネットバブルの波に乗る
1999年からアメリカではIT系の株価が暴騰しました。この波が日本にも来るわけです。
創設1年目で従業員10名を抱える中、早速のところ上場を目指して行動していきます。
まあ上場にあたって赤字決済が~とか色々ありながら、当時できたばかりのマザーズ市場で上場を果たします。
バブル崩壊、孤独と彷徨
今では考えられないが、2000年にITの将来性に不安が生じたせいかインターネット関連の銘柄の株価は下がっていきました。
利益は赤字。株主からも世間からもバッシングの荒らし。
サイバーエージェントの評判は日に日に悪化していき、従業員も次から次へと去っていく。
藤田さんは「21世紀を代表する会社を目指す」という目標を挫折しかけ、しまいには会社の売却ギリギリのところまで行きました。
売却を踏みとどまれた力の根源は、仲の良い会社経営者からの言葉の励ましであったり、今まで共に経営してきた仲間の努力を水の泡にさせたくないという思いでした。
なんだこの綺麗ごと。と思いつつ、僕自身も大事にしたい理念です。
ランナーズ・ハイ
株価がを上げるための努力をしてきましたが、本当に大事なのは将来を見据えた会社経営だと気づきました。数年は赤字が続くが、数年後には黒字になることを見越して行動を始めました。
「株価の乱高下に一喜一憂するのではなく、有望な事業を育て、仕事のしやすい環境を整えて従業員のやる気を引き出すことが、中長期的には株主に大きく貢献することになる」という思想が登場しますが、この考え方がとても好きです。
そんなこんなで投資してきた新規事業が花を咲かせ、2004年には黒字化。株価も上昇しました。
現在も走り続けていますよという話でこの本は終了です。
まとめ
藤田さんは小学生のときから将棋の大会で1位を取ったり、中学の頃からそこまで勉強せずに進学校に入学できたりと、地頭はまじで良いです。
だた、すごいのは頭の良さではなく、「何かに夢中になること」です。
夢中になれることほど成長できる行動は他にはないと感じている今日このごろ。
起業家の本を読んでて思う成功者の共通点は「時間を忘れるくらい夢中になること」です。
夢中になるためには行き当たりばったりで色々挑戦するのも良いですが、自分の好きな事はなにか、得意なことは何か、人生の目標は何か、など自己分析をすることで早々に見つかると思います。
ちなみに僕はこちらの本で自己分析してみました。人生の目標が見つかっていない人に、ぜひ読んでほしい。
藤田さんは行動力あるしメンタルも強い。正直、マネできないなとは思いつつ参考にできる部分は吸収してアウトプットしていきたいですね。
さすがに事業アイデアなしに起業開始日を決めることはしないです(笑)
あと固定費が数十万とかかるビジネスはいきなりはやりたくないですね。
そこらへんは人生の目標との兼ね合いです。藤田さんの場合は「日本一」を目指しているので、僕とはまた違う目標です。
というところで本の紹介&感想を終わりたいと思います。
コメント