ココナッツオイルは肌に良い?【8つの研究に基づき解説】

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ココナッツオイルは健康改善のためによく用いられていますが、最近は肌に使う人も多くなりました。

僕自身もメンタリストDaigoさんの意見を参考にして、最近はお風呂上がりにココナッツオイルを使用しています。

ネット上ではココナッツオイルに対してポジティブな意見もネガティブな意見も様々ありますので,海外の研究論文を用いてそこらへんを明確にしたいと思います。

本記事では、ココナッツオイルの肌への影響について研究を紹介しながら解説するとともに、注意点についても説明したいと思います。

本記事の内容
  • ココナッツオイルの肌への影響は?効果あるの?
  • 合う人と合わない人の特徴とは?
目次

ココナッツオイルの成分

そもそもココナッツオイルは飽和脂肪酸の一種である中鎖脂肪酸が豊富でして、2011年の研究 [1]によると全組成の約65%が中鎖脂肪酸ということです。

中鎖脂肪酸(MCT)とは、ココナッツやパームフルーツなどヤシ科植物の種子の核の部分に含まれる天然の脂肪酸。通常の長鎖脂肪酸とは異なり、体内で分解されやすくエネルギー化されやすいため体脂肪として蓄積されにくいことから、ダイエットでも注目されている。

ちなみにココナッツオイルに含まれる脂肪酸の割合は以下のような構成になっています。

  • ラウリン酸: 49%
  • ミリスチン酸: 18%
  • カプリル酸: 8%
  • パルミチン酸: 8%
  • カプリン酸: 7%
  • オレイン酸: 6%
  • リノール酸: 2%
  • ステアリン酸: 2%

飽和脂肪酸のラウリン酸が多くの割合を占めていることが分かります。

製品によっては組成が変わりますが、ラウリン酸が多い傾向は同じだと思います。

ココナッツオイルの肌への効果

有害な微生物からの保護

中鎖脂肪酸には有害な微生物から肌を保護してくれる抗菌作用があります。

ニキビや水虫などの皮膚感染症は有害な細菌によって引き起こされるので、中鎖脂肪酸であるラウリン酸は細菌の繁殖を防いでくれます。

1972年の研究 [2]では、20種類の細菌に対して30種類の脂肪酸の抗菌作用をテストしたところ、ラウリン酸は細菌の増殖を防ぐのに最も効果的であったと主張されています。

また2001年の研究 [3]では、ラウリン酸と同様にカプリン酸も強力な抗菌作用があることが明らかになりました。

炎症の抑制

乾癬や湿疹などの皮膚炎は慢性的で厄介ですが、ココナッツオイルは抗炎症作用も持っています。

2010年の研究 [4]では、ラットの炎症を起こした耳にバージンココナッツオイルを塗布しましたところ、ココナッツオイルは抗炎症作用があることが分かっただけでなく、痛みも和らげる作用があることが明らかになりました。

また2013年の研究では、ヤシ油、オリーブ油、ひまわり油など、さまざまな種類の油をラットに45日間与えたところ、ココナッツオイルが細胞の酸化状態を最も改善したということです。

ニキビへの効果

ココナッツオイルが毛穴に詰まると言っている人がインターネット上によくいますが、多くの研究ではココナッツオイルがニキビ治療に役立つと主張しています。

ニキビは炎症疾患ですが、先述したようにココナッツオイルには抗炎症作用があり、ラウリン酸は細菌を殺すのに役立ちます。

2009年の研究 [5]によると、ニキビの原因となる細菌の増殖を防ぐのにラウリン酸が過酸化ベンゾイルより効果的であることが明らかになりました。

また2014年の研究 [6]では、ラウリン酸とカプリン酸の両方が細菌を殺すことでニキビを予防できることを示しています。

乾燥肌の保湿効果

ココナッツオイルは保湿効果があります。

2004年の研究 [7]によると、乾燥肌患者に対する2週間の実験により、ココナッツオイルがミネラルオイルと同じくらい効果的であることが明らかになりました。

また2008年の研究 [8]では湿疹患者52人に対してオリーブオイルとココナッツオイルを塗布したところ、ココナツオイルはオリーブオイルよりも湿疹の治療に貢献し、乾燥を防ぐ効果があることも明らかになりました。

ココナッツオイルを使うべきではない人

ココナッツオイルが肌の健康維持に役立つことが多くの研究で示唆されていますが、すべての人に有用であるとは言えません。

例えば脂性肌(オイリー肌)の人はココナッツオイルを使用すると毛穴の出口を塞いでしまい、ニキビを生じやすくする可能性があるので使用を控えた方が良いです。

また敏感肌の人は刺激に弱いので、部分的に塗布したり量を調整したりする必要があります。

脂性肌や敏感肌の人は、本格的に使用する前にパッチテストとして二の腕などに少量のオイルを塗布してしばらく様子を見た方が良さそうです。

しかしココナッツオイルを使った食事は一般的にほとんどの人にとって問題ありませんので、身体の内部から健康の改善を行うことはできると思います。

まとめ

研究に基づきココナッツオイルの肌への有効性や、使うべきではない人について解説しました。

ポイント
  • ココナッツオイルに含まれる脂肪酸が肌を細菌から守ってくれる
  • 乾燥肌の人への湿疹治療や保湿効果は絶大
  • 脂性肌の人は使用を控えた方が良いかも

メンタリストDaigoさんがおすすめのココナッツオイルを買ってみたという記事でも紹介していますが、私は食用のココナッツオイルを毎日使用しています。

まだ2週間ほどしか使っていませんが、安いのに肌に優しく保湿効果も高いのでおすすめです。



参考文献

[1]

“Coconut (Cocos nucifera L.: Arecaceae): in health promotion and disease prevention,” Asian Pac J Trop Med. 2011 Mar;4(3):241-7. doi: 10.1016/S1995-7645(11)60078-3. Epub 2011 Apr 12.

[2]

“Fatty Acids and Derivatives as Antimicrobial Agents,” Antimicrob Agents Chemother. 1972 Jul; 2(1): 23–28.

[3]

“Killing of Gram-positive cocci by fatty acids and monoglycerides,” APMIS. 2001 Oct;109(10):670-8..

[4]

“Anti-inflammatory, analgesic, and antipyretic activities of virgin coconut oil,” Pharm Biol. 2010 Feb;48(2):151-7. doi: 10.3109/13880200903062614..

[5]

“Antimicrobial property of lauric acid against Propionibacterium acnes: its therapeutic potential for inflammatory acne vulgaris,” J Invest Dermatol. 2009 Oct;129(10):2480-8. doi: 10.1038/jid.2009.93. Epub 2009 Apr 23.

[6]

“Anti-bacterial and anti-inflammatory properties of capric acid against Propionibacterium acnes: a comparative study with lauric acid,” J Dermatol Sci. 2014 Mar;73(3):232-40. doi: 10.1016/j.jdermsci.2013.10.010. Epub 2013 Nov 7.

[7]

“A randomized double-blind controlled trial comparing extra virgin coconut oil with mineral oil as a moisturizer for mild to moderate xerosis,” Dermatitis. 2004 Sep;15(3):109-16.

[8]

“Novel antibacterial and emollient effects of coconut and virgin olive oils in adult atopic dermatitis,” Dermatitis. 2008 Nov-Dec;19(6):308-15.

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この記事を書いた人

情報工学の修士号を取得後、新卒で大手メーカーに就職。2022年にWeb系企業に転職。
役立つサービスや日々思ったことを発信中。
趣味は旅行、カメラ、動画制作。

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